隣の芝生 2009 2 22

書名 大恐慌入門
著者 朝倉 慶  徳間書店

 地上では、最大・最強と言われた恐竜。
その繁栄が永遠に続くと思われたが、
終りの日は早く、姿を消すのも早かった。
 食べても食べても豊富にあった食料。
食べたいと思ったら、いくらでも、いつでも調達できた。
 しかし、地球が寒冷化してくると、
食糧を備蓄し、食糧を生産できる人間の方が有利になってしまった。
こうして、地球は、恐竜の時代から人間の時代へ移り変わっていった。
 地上では、最大・最強と言われた投資銀行。
その繁栄が永遠に続くと思われたが、
終りの日は早く、姿を消すのも早かった。
 市場には、マネーが溢れ、
必要ならば、いくらでも、いつでも調達できた。
 しかし、短期金融市場が寒冷化してくると、
マネーの調達に窮することになった。
こうして、投資銀行の時代から、商業銀行の時代になっていくのか。
 いや、違う。
隣の芝生は青く見える。
最近の歴史は、商業銀行が投資銀行に近づく歴史だった。
 巨大化する投資銀行を見て、
商業銀行は、「自分たちも投資銀行のようになりたい」と思ってしまったのだ。
そこで、自分たちの分身を作って、分身に投資銀行業務をさせていたのだ。
いつの間にか、自分たちが恐竜になっていたのだ。
いや、むしろ自ら進んで恐竜になろうとしていたのだ。
















































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